共亜事件がいよいよ結審の日を迎え、裁判長の武井(平田広明)が「判決を言い渡す…」というシーンで終了。
現代の視点から見れば、この裁判での検察の証拠提出は不充分であり、自白の強要も明らかで、有罪判決を下すことは不可能だと感じます。しかし、当時の裁判体系は自白を重視し、自白があればほとんどの場合で有罪とされていたため、多くの冤罪が生じていたとも指摘される時代です。このドラマでは、最終的に有罪か無罪かは明日にならなければ確定しない状況です。無論、判決の内容に関わらず、この裁判が寅子に法律家としての強い動機を与えていくことには変わりありません。
本日は裁判の場面が中心で、非常に見ごたえのある内容でした。穂高先生が検事を徐々に追い込む様子は見る者を魅了しましたし、堀部さんの演じる悪役も非常に似合っていました。直言さんの否認する姿も印象的で、名前通りの直言直叙の態度でしたね。白目ちゃんが駆けつける場面もあり、判決が次回に持ち越されることを予感させました。祝日に録画で見返すのが楽しみです。
「続きが気になる!」と感じさせるドラマは、見ているうちに脚本の特徴やドラマのパターンが見えてきます。意外な展開を生む伏線も散りばめられていて、今回はわずか13分で「これは続くな、おそらく無罪だろう」と予測してから、作業を再開しました。個人的には、結論を先に知ってから詳細を楽しむスタイルが好みですが、毎日のように正直な人が報われるストーリーに心打たれています。
桂場さんには何か甘いものを満足いくまで食べてほしいと思います。もしスピンオフがあれば、「孤独のグルメ」版桂場さんを見てみたいですね。
桂場さんがはるさんの手帳を手にしていた場面が印象的でした。へそくりで着物を購入した日は、寅子に新しい振袖を用意しようとした日でしょう。その日、甘味屋で桂場さんが啖呵を切ったこともあり、はるさんは日記に記録しているはずです。寅子が六法全書を購入した日のことも書かれていますから、裁判でこれがどのように評価されるかは未知数ですが、桂場さんにとっては重要な証拠になるでしょう。これはあくまで個人的な推測ですが。
時に故意に時間を稼ぐような展開は視聴者にストレスを与えかねませんが、『トラツバ』の場合はその逆で、物語は速やかに進行し、適度に「焦らし」を交えることでむしろ心地良いリズムを生み出しています。
今から5ヶ月後のロスが既に心配です。
この時代には三権分立の概念が存在していたようですが、その制定は1947年であり、その11年前の1936年12月に下された判決が政治家の圧力に屈することなく行われたとすれば、それは画期的なものと言えるでしょう。表面上はわからないかもしれませんが、記者が気づき記事にすることで、やがては世間に知られることになるかもしれません。自白を重要な証拠とする現在の法律体系では、取り調べの透明性が求められるように改めて感じます。
また、最近放送された同局の下山事件を扱ったドキュメンタリードラマで、布施検事が「これからの時代は、検察も客観性を基に捜査すべきだ」と述べたシーンが印象的でした。森次氏が演じる悪役からモロボシダンのイメージが払拭されるのを見ると、役者としての新たな一歩を感じさせます。
現代の検察が戦前の影響を色濃く残しているかのように感じることもあります。NHKがこのような内容を放送すること自体、ある種の批判を含んでいるかもしれません。また、裁判官と検察が同じ側に座ることが暗喩的に表されており、実際の裁判が形式的なものであることを露骨に示しているように思います。
連続ドラマの「焦らし」効果は、視聴者にとって味わい深いものです。苦手な方は録画して一気見するか、週末にまとめて見るのも良いでしょう。毎回の展開が興味深く、リアルタイムでもタイムシフトでも異なる感覚で楽しめるのが魅力です。
判決の瞬間に固唾をのんで見守る中、寅ちゃんやはるさん、それに笹寿司のおやっさんや竹中さんからの熱い声援が感動を呼びました。裁判所の外で待つ寅ちゃんの仲間たち、それぞれが見せる表情や挙動も多彩で、視聴者を引き込む要素が満載です。直言さんの「その扇子の…パタパ…やめてください!」や桂場さんの「検察は聞かれたことに答えるように」というセリフには、すっきりとした気分を味わえます。
悪トラセブンへの桂場さんの扱いは、その策略が裏目に出るとは思わなかったでしょう。このドラマではリーガルサスペンスの要素が強化され、より一層の詳細な展開が望まれています。舞台裏の詳細や登場人物の深堀りにも期待が高まっています。
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