とうとう合格した寅子(伊藤沙莉)、先輩の久保田(小林涼子)、中山(安藤輪子)。そして寅子と合格者が3人も出たことで、廃部寸前だった明律大学女子部は息を吹き返す。初の女性弁護士誕生と新聞が大々的に報じ、大学では祝賀会が開かれることに。口述試験に落ちたよね(土居志央梨)は寅子のもとを訪れ、「いつか必ず合格してみせる」と寅子に約束する。祝賀会の席で寅子はスピーチを求められる。寅子は「男女関係ない社会を目指す」と演説する。
寅子さんの祝賀会での演説には、知らぬ間に涙が流れ出て、止まらなくなりました。長い間努力してきた仲間たちの、受験に挑めなかった無念さも一緒に伝わるような形で話してくれました。弁護士試験に合格したことを喜ぶ一方で、男女平等がまだ実現していない現状を報道関係者にしっかりと訴えましたが、結局新聞に掲載されたのはたった一つの記事だけでした。それでも、一つの記事にしてもらえたことは大きな意味があります。寅子さんの演説は、合格したことよりも、受験できなかった仲間への深い愛情が感じられたように思います。
この一週間は、まるでドラマの最終回のような激動の日々でしたが、実際にはまだ一か月しか経過していないのが驚きです。寅子さんの歌が楽しかった学びの時間を終え、弁護士としての新たなスタートが印象的でした。素直ではない桂場さんの突然の笑いや竹中さんのエールも心温まるものでした。男性優位の社会の中で自身の居場所を築いていくよう願っています。また、花岡さんとの新たな関係の展開も楽しみです。
金曜日はこれまでも重要な日でしたが、今日の内容はさらに重たく、熱のこもったセリフで始まりました。合格はしましたが、それで喜ぶわけにはいかないというトラコさんのセリフは、その時代から現代に至るまでの問題を鋭く突いていました。脚本の吉田さんは、シリアスなものとユーモアを含むもの、二つのパターンのセリフを見事に操っています。それぞれの言葉が、ただ速いだけ、ただ曲がるだけではなく、ピッタリとコーナーに決まるように作られています。そうしたコントロールは見事で、視聴者が簡単に受け止められないかもしれません。そのため、男性が常に非難されているように感じてしまい、視聴が辛いという誤解を招くコメントも見られます。吉田さんが投げるのは視聴者ではなく、現代社会そのものです。昔の女性たちが築いた男女平等の社会には感謝するべきだというメッセージを、ドラマは伝えています。次週にも大きな期待を持っています。
お祝いを受け、どこへ行っても称賛される中、家は花で溢れていましたが、寅子さんの表情はさえず、竹中さんも面白くないと渋い顔をしていました。よねさんの話を聞いた後、モン・パパを口ずさみながら過去を振り返り、寅子さんのモヤモヤとした感情の正体がはっきりしました。怒りと決意に満ちた迫力ある演説は、見事でした。「女だから」という理由だけで多くの可能性を奪われ、これまで出会った人々の思いも共に爆発させました。竹中さんも同じ感情を抱いていたのではないでしょうか。この先、寅子さんが予想外の障壁に幾度も直面することでしょう。しかし、彼女なら何かを変えることができるかもしれません。竹中さんが、こんな記事を書く人だったのかと言われるような、希望に満ちた記事を書き、一社だけでも掲載してくれたのは、それが理由かもしれません。
竹中さんは先日「特捜9」にも出演されていましたが、「虎に翼」で初めてその存在を知りました。竹中さんの演じる役はとても魅力的で、心から魅了されました。これからも寅子さんの支えとなっていただきたいと思います。
女子部編の最後の回は、このドラマの深い味わいを感じさせるものでした。これまでならヒロインが合格してみんなが祝福するという流れで終わることが多いですが、この作品ではそうではありませんでした。むしろ苦い空気が次回へとつながる様子があり、非常に見応えのある展開が期待できます。予告だけでも厳しい現実が突きつけられそうですが、それに変わりはありません。予告の終わりが寿司屋の大将というのは、驚かされました。
寅子さんの祝賀会での演説に関わった記者は、以前「シン・ゴジラ」で巨災対の自衛隊員として「ヤシオリ作戦」のフィードバックを行っていた方ですね。今週はまさに「怒濤」と言えるほどの多くの出来事がありました。寅子さんの演説には心が熱くなりました。
昭和の終わり頃に生まれた私にとって、同じ昭和時代であっても、その時代の女性たちがどれほど下等に扱われていたのか、今更ながらに驚きと共に、その状況を変えようと奮闘してくれた人々に深い感謝の気持ちを持っています。
私自身も、次の世代やその次の世代のために何かできることがあるのではないかと考えています。
金曜日は歌の時間が長かったですね。よねさんは口述で「完璧だった、曲げずにいつか合格する」と話しました。来年は差別的な質問をしない試験官に出会えると良いですね。
祝われて祝われて、どこに行っても祝福されていますが、これはゴールではなく、むしろ「地獄の一丁目から二丁目への入口」なのかもしれません。法律が変わることが本当のゴールでしょう。
先日、博多大吉氏も話していましたが、番組スタートから1ヶ月で弁護士になったことから、これからの困難をじっくりと描くことになるでしょう。予告では女性弁護士への偏見が描かれていましたが、法服をまとって法廷に立つ姿もありました。来週も非常に楽しみです。
よねさんが明律大で轟とどのような関係に発展するのか、恋愛関係になるのかも気になるところです。寅子さんの回想シーンでは、久しぶりに白眼の人も見られました。
花岡からのプロポーズめいた言葉に寅子さんが微妙な表情をしたのも印象的でした。彼女が旧制度の結婚に疑問を持っているため、「試験に失敗したら俺が養ってやる」と聞こえたのかもしれません。
寅子さんの演説を聞いた後の花岡の表情と、寅子さんの言葉に感銘を受けて明るく笑顔で拍手を送っていた轟との対比も興味深かったです。花岡はまだ男女平等の意識が低いのかもしれませんが、寅子さんをただの女性としてではなく、一人の人間として尊重し支える優三となら結婚してもお似合いだと感じます。史実通りの展開になるかどうかは分かりませんが、花岡に振られて優三と恋に落ちるようなありきたりな描写をしていないところが良いと思います。
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