朝ドラ「虎に翼」共亜事件(帝人事件)太平洋戦争へと進んでいく?
昭和11年(1936年)に発生した「帝人事件」(ドラマでは「共亜事件」として描かれる)は、政財界の大物を含む16人が逮捕・起訴される事件で、政府への不信感が高まる中、斎藤実内閣が非難され総辞職に追い込まれた。斎藤実は五・一五事件後に首相となった海軍大将で、その後任として岡田啓介が着任するも、国家主義勢力の攻撃を受け二・二六事件後に辞任した。この二・二六事件では、陸軍青年将校が軍を率いて政府要人を襲撃し、天皇親政を目指す昭和維新を掲げたが、最終的に天皇の怒りを買い鎮圧された。これにより政治の実権は陸軍の統制派が握り、日本の国際関係は「日独防共協定」へと進展し、後に三国同盟へと発展する道を辿ることになる。この時代の日本は、国際的孤立を深めながらも、次第に太平洋戦争へと進んでいく。