第27話は、昭和13年春、明律大学を卒業した寅子(伊藤沙莉)たち。寅子は雲野(塚地武雅)の法律事務所で働きながら高等試験合格を再び目指すことに。一方、竹もとで働きながら勉強を続けていた香淑(ハ・ヨンス)のもとに、特高がやってくる。兄・潤哲(ユン・ソンモ)が思想犯の疑いを掛けられたことで、香淑自身もずいぶん前から目を付けられていたのだった。寅子たちは香淑が抱えていた事情を知り、衝撃を受ける…というストーリーだった。
最近、NHKではこれまで避けられていたようなテーマに積極的に取り組んでいる印象を受けます。日本人が無意識に持っている差別に光を当て、人種や性別、出身地、学歴、職業、経済状態など、多岐にわたる問題を明らかにしようとしています。また、これらの差別意識の根源は何かを探求しているようです。物語の中で主人公とその周りの人々がどのようにこれらの問題に向き合い、解決策を見つけていくのか、見守るのが楽しみです。
特別高等警察は、かつての厳しい思想弾圧で知られ、その組織の厳しさは現在のある独裁国家にも匹敵するものでした。戦後すぐには彼らは公職から追放されましたが、GHQの方針変更により処分が解除され、1951年以降には警察庁などの高位職に再就任した者もおり、国会議員になった人もいました。その後、内務省警保局に設立された公安課が特高の後継とされ、今日の公安警察の基盤となっています。
ドラマで言及された朝鮮の労働争議は、1930年代に朝鮮半島で盛んに行われた労働・農民組合運動を指していると思われます。この運動では、組合活動家たちがストライキ本部を組織し、工場新聞やパンフレットを通じて8時間労働制や最低賃金制度、同一労働同一賃金などを訴え、民族解放運動の先駆けとなりました。1931年から1935年の間に朝鮮総督府により逮捕された人数は全半島で1,759名に上ります。
日本の家庭では靴を脱いで入るのが普通ですが、特高警察は土足のまま家に入り込むことがありました。その行動は非常に威圧的であり、軍や検察、警察、特高が権力を振るっていた不快な時代の象徴です。そのような中でも、香淑さんは健気に勉強を続けています。彼女とその兄妹は美男美女で、一瞬、韓流ドラマのような印象を受けました。
以前、新宿駅で警察官による職務質問を受けた際、3名の警察官全員が非常に威圧的な態度でした。テレビドラマで見るような温和な警察官には一度も遭遇したことがなく、その話し方はビジネスマナーにも欠けており、命令口調での対応が気になりました。これは新宿の警察の特徴なのでしょうか。
現代の検察や警察は証拠保全を優先し、現場を
荒らすような「土足で踏み込む」という行為は行いませんが、過去にはこれがよく行われていました。今週も目が離せませんが、最近は特高のような時代に戻ろうとする政治家が多いようです。憲法改正を通じて人権に関する条項を削除しようとする動きには、ドラマを見ていても恐怖を感じます。
特高警察の方針は、被疑者に対して寄り添わず、できるだけ高圧的に接することでした。昭和初期ではこのような行動が普通でしたが、今では大問題となるでしょう。当時の特権階級意識は、今も変わっていないと感じることがあります。官僚たちがその良い例です。過去の日本を取り戻そうという発言をした人たちもいますが、ドラマに没頭できるのは幸せなことですね。
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