終戦から一年。未だ優三(仲野太賀)の消息は分からず、直言の調子も良くならない。優三を心配しつつも気丈に振る舞っていた寅子だが、ラスト一分のところで、直言が半年間隠していた”ある物”を発見する。それは、優三の死亡通知書。優三は満州の地で病死していたのだった。
戦地で命を落とすことを覚悟していたとしても、「戦病死」という結果には驚きを禁じ得ません。戦場で命を捧げることが当然とされた時代、戦地まで赴き病気で命を失うことは、まさにお国のために命を捧げたとは言えず、お国によって命を奪われたとしか言いようがありません。
病死の詳細は分かりませんが、赤痢やマラリア、栄養失調、餓死、敗血症など、さまざまな可能性が考えられます。緊張すると下痢をすることが多かった優三さんが、試験やプロポーズの時もトイレに駆け込んでいた姿が目に浮かびます。出征の時、寅子の変顔に泣き笑いの表情を見せながら去って行った彼の後ろ姿が今でも胸に残ります。
その優三さんが、劣悪な戦場で寅子の変顔を思い浮かべながら「ゴメンね」と呟いていたのかもしれません。家族にとって、「戦病死」という紙切れはあまりにも酷い現実です。憲法に謳われた「戦争を放棄する」という言葉の重みが、まさに自分ごとのように感じられました。
早朝のBS放送を録画予約し、起きてから再生して観るのが日課です。米津さんの歌うテーマソングに合わせて、今日の展開を楽しみにしながら踊って体を動かし、一日のスタートを切っています。しかし、昨日からはテーマソングに合わせて身体を動かす元気が出ていません。悲しい知らせが続き、心が沈んでいるのです。この先、寅子がどうやって元気を取り戻すのかが心配です。
もう一度会えることを願っていましたが、その希望が叶わず辛い気持ちです。回想シーンでも良いので、たびたび顔を出して寅子に力を与えて欲しいと願っています。戦争が嫌だと堂々と言える日常が続くことを祈っています。
私の母方の祖父は、免許を持っていたため輸送部隊に配属されました。絶対に大丈夫と思われていたのですが、待ち伏せに遭い、ほぼ全滅してしまいました。祖父は仲間を助けるために敵に突っ込んで行ったそうです。父もまた、大和に乗るはずでしたが、シケで船が出せず命拾いをしました。もし乗っていたら、私はこの世にいなかったでしょう。就職先の社長も士官学校生で、大和に乗るはずが艦長命令で降ろされました。縁とは不思議なもので、戦争がなければ母は女学校に通っていたはずです。
主題歌の一節「誰かと恋に落ちて また砕けて やがて離れ離れ」という部分が現実の形で具現化したように感じます。三淵嘉子さんの生涯を振り返ると、最初の夫が戦死したという事実があります。史実に沿わなければドラマの筋が通らないため、このような展開になったのでしょう。
戦争による生死に関する史実は、比較的忠実に描かれることが多いですよね。そのため、1947年頃までの戦後の描写でも、主人公の両親が亡くなる可能性が高いのかもしれません。
今日の朝ドラは本当に見るのが辛かったです。優三さんが「戦病死」なんて信じられません。戦争で命を落とすなんて…。優三さんを返してほしいと、涙がずっと止まりません。悲しくて悔しくて、優三さんの優しい笑顔や演技が素晴らしかっただけに、間違いで帰ってくるのを願っていました。
戦死だけなら間違いも多く、ひょっこり帰ってきた人もいたらしいですが、病死と明確に書かれていると恐らく間違いはないのでしょう。私は一度は帰ってきて病死したのかと思っていただけに、ショックが大きかったです。
もしもあの世という存在があり、優三さんがこの状況を見たら、「トラちゃん、お父さんを責めないであげてね。全てが正しい人はいないから。みんな良い面と悪い面があって、守りたいものもみんな違うから。はい、吸ってー吐いてー(笑)」と笑顔で言いそうな気がします。
勝手に想像して、勝手に涙がこぼれてきました。優三さん、優未ちゃんは元気に大きくなりましたよ。この先もトラちゃんと優未ちゃんを見守ってくださいね。一目でいいから会わせたかったなと、心から思います。
終戦がナレーションであっさりと描かれた理由が分かりました。寅子さんにとっての終戦は、夫の病死を知った時だったのかもしれません。彼女にとってはその日が終戦のように感じられたのでしょう。
ネタバレをタイトルに入れるのはやめてください。お昼の放送は再放送かもしれませんが、フルタイムで働いている私には朝は通勤時間帯で見ることができません。職場での昼休みを楽しみにしています。ネタバレ記事はせめてお昼の放送後にしてください。何度も悔しい思いをしてきましたが、今回は特に楽しみにしていたので黙っていられませんでした。
wikiで調べていたので知っていましたが、それでも悲しいです。フィクションだから、もしかして優三さんが元気で戦地から帰ってくるのではないかと淡い期待をしていましたが、残念です。仲野太賀さんは『初恋の悪魔』から好きになりましたが、優三さんの役でもっと好きになりました。
優三さんが優未ちゃんをずっと抱きしめていたのが心に残っています。両親がいなかった優三さんにとって、寅子ちゃんと優未ちゃんとの生活は幸せな毎日だったでしょうね。
当時の死亡報告書には間違いも多かったと言われていますが、戦病死と書かれているとやはり本当なのでしょう。朝から気持ちが沈みました。
優三さんは寅子さんと結婚しても、書生の頃と同じように座敷で食事をしていたことが気になっていました。兄嫁はテーブルで食事をしていたのに、富裕層の家庭では男子でも娘婿でも容赦がないのでしょうか。それに、戦死を隠すのはいかがなものかと感じました。今日は本当に切ない回でした。
そんな中、優未ちゃん役が『らんまん』の園ちゃんですよね。ちょっと成長した園ちゃんに会えて唯一ほっとしました。朝ドラは戦前から始まることが多いですが、その場合必ず空襲や戦死の描写が出てきます。不謹慎かもしれませんが、「また負け戦を見せられるのか」と思ってしまいます。
太平洋戦争の期間が今までの朝ドラよりかなり短く感じました。主人公が出兵していないにも関わらず、戦争の描写は重要な要素として描かれていました。どのように表現するかが大切なのでしょう。
長男の時は家族に話したのに、なぜ優三さんの死は隠したのでしょうか。多分、優三さんが生前に頼んでいたのかもしれません。久しぶりにテレビの前で「ああ、優三さん…」と呟いてしまいました。帰ってきて欲しかったです。
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