第44話では、これまでの後悔と秘密をすべて打ち明けた直言(岡部たかし)が、安らかに亡くなりました。寅子は何事もなかったかのように日常生活を続けようとしますが、はる(石田ゆり子)はお金を渡します。花江(森田望智)もはるも、悲しみを乗り越えるために好きなことに使ってほしいと願っていました。寅子は闇市をさまよい、優三(仲野太賀)と一緒に食べた焼き鳥を思い出します。優三が自分にかけてくれた言葉がよみがえってくる…というストーリーでした。
家族のために、悲しい気持ちに蓋をして無理矢理前を向いていた寅子。しかし、思い出の河原でかつて一緒に食べた焼き鳥を手にすると、「分け合って食べるって言ったじゃない。必ず帰ってくるって言ったじゃない…」と本音が漏れてしまいます。そして、優三の言葉を思い出すと、堪えきれずに大粒の涙を流します。
このシーンで印象的に使われた劇中歌は「You are so amazing」でした。第40話(24日放送)で、優三が出征するシーンにも使われており、大きな反響を呼んでいました。
昨日の父親の最期を喜劇にしたのは大失敗、どうやって埋め合わせをするのだろうか?なんてコメントがあって、おら、びっくりこいたぞ!悲劇を悲劇として書くのは普通の脚本家で、それを喜劇へと転化させて、もちろん着地はしんみり、戦後描写でそんな驚きの展開の朝ドラは記憶にない。今朝の、優三の死を受け止めなくてはいけないシーンも、絶望のままは終わらない。焼き鳥を包んだ新聞に書いてある日本国憲法第14条を読んで寅子が流す涙は、これだけの犠牲を払って、大切な家族も失って、やっとこの国に平等を謳った憲法が来たのか!という思いだろう。2ヶ月に及ぶ序章は明日で終わって、来週からは本章へ入る。現代に通じる社会性のあるヘビーなテーマを、ライトコメディとして描く脚本は賞賛に値する。なにより脚本の吉田さんの創作意欲が高く、熱く、大胆で、繊細で、ストレートだ。最強の朝ドラとして来週以降も進んでほしい。
ドラマとしては今週で第1部終了、といった感じですね。遺品を届けてくれた戦友や焼き鳥屋のおばちゃんなど、いろんな人に助けられて今あることに気づき、再び歩み出す決意を固めるにふさわしいBGMだったと思います。
今日は予想通り冒頭から最後まで涙腺崩壊でした。闇市で買った焼き鳥をほお張り「一緒に分け合ってっていってたじゃない。必ず帰るっていってたじゃない…」寅子のこの言葉で号泣でした。復員兵が戦死された家を訪ねて遺品を手渡されたことも、実際にそのような経験をされた方も多かったようですね。
今朝は日本中が泣きました。戦後、寅子のような境遇の人がたくさんいたのだと思います。私は戦後の世代ですが、夢で、最愛の人(誰かは分かりません)と戦争で離れ離れになり泣き叫ぶ、という不思議な体験があります。前世の記憶かなーと思っています。現在進行形で戦争している国があることが残念でなりません。
オープニングで優三さんの名前に(回想)とか(写真)ってなかったから、後ろ姿だけの時誤報だったのかと一瞬期待しちゃいました。そんな優しい時代じゃないよね。これで寅子の笑顔がまた見られるようになるといいな。
今回と40話での優三さんの台詞、同じなのに視線が違う。寅子の心の中にずっと優三さんがいて励ましてくれる。生きて帰ってきて欲しかったけど。最後、寅子と一緒に泣けるようにしてくれたかと思うくらいの長回し。はるさんの言葉も優しかったです。ところで、役名がついていた復員兵さん。再登場あるのかな。
寅子の号泣シーンで、バックに流れる音楽がやけに染みるな~と思っていました。昨日のあさイチが、自分のテーマソングのような内容だったので、NHK連携してるんだな~と感じました。寅子の号泣に沿って強弱を付けた流し方にぐっときました。やっと泣けたんだ、これで前に進んでいける。
寅子が手にしてた新聞の日本国憲法。
9条の戦争の放棄ではなく、14条の法の下の平等がクローズアップされていたのが印象的でした。もちろん、寅子自身が性別による差別を受けていたことも関係しているのでしょう。しかし、昨日の寅子の両親の無意識の中で優三さんを下に見た思想に対抗する寅子の思いもあったのだと思います。
今でも当たり前に存在している日本国憲法は、戦争で無駄に命を落とした方々や、不当な身分差別を受けてきた方々、様々な人々の苦労や痛みの上に成り立っているのだと改めて感じました。
今週の流れは本当に素晴らしかったです。やっと泣くことができました。
この作品の脚本と演出、そして演者による相乗効果は、セリフのない行間に多くの言葉が詰まっていると感じます。15分という限られた時間の中で多くを伝え、小難しい内容でもくどくならず、必要な場面では鋭く直球でズバッと斬り込む。そして、重い場面でもさりげなく喜劇を挟みつつ、最後はしっかりと納得させる。その絶妙なバランスが素晴らしいです。明日で第1章が終わり、来週からは様々な困難を乗り越えた寅子の第2章が始まるのでしょうね。
話題のベルセバが夏に来日するようで、プロモーションとしても上手いですね。
「虎に翼」を見て、私が寅子の立場になって考えたら同じ反応をすると思います。泣きたいのに泣けず、優三さんも父さんもいなくなる。気持ちが追いつかないと思います。後になって、いないことに気づいて泣くのでしょう。寅子と同じ年齢に近いので、もしもこんなことが起きたらと思うと戦争の愚かさを感じます。寅子の父さんに関しては、年齢的な問題もあるとは思いますが。
大谷翔平選手の難産14号にバンザイの後、寅子の「すん…」からずっと泣きっぱなしでした。そしてまさかの「ベルセバ」。人生いろいろ、人の思いもいろいろ、辛い時代や悲しみの中にも笑いがあるという真実。寅子、頑張れ。優しい優三さんが見守ってくれています。
記事を読むまで誰が歌っているのかわかりませんでしたが、悲しみのどん底にいる寅子を優しく包み込むような歌声とメロディに心地良さを感じました。有名な方なのですね、失礼しました。お父さんが亡くなり優三も病死していたことがわかり暗闇にいるような寅子ですが、明日からは生きる力が戻ってくることをひたすら祈っています。
優三さんにお弁当を届けに行ったことがきっかけで出会った法
の世界。優三さんと焼き鳥を食べたことがきっかけで目にした日本国憲法。寅子と法を引き合わせるのはいつだって優三さん。こうした小さな運命の演出がとても沁みます。
寅子が号泣するシーンでバックに流れる「You Are so Amazing」という曲。
It's ok that you cry
There will be grateful nights
You can be so proud
'cause you are so amazing
泣いてもいいんだよ
素晴らしい夜が来るから
あなたはとても誇りに思える
だってあなたは本当に素晴らしいから
まさに優三さんが寅子に語りかけているようで、心に響きました。
今回の朝ドラは伊藤沙莉さんが主演と知ってからずっと楽しみにしていました。そして毎回楽しんで観ています。最初にこの曲が流れた時は「なぜ歌詞が英語なんだろう?」と感じましたが、後で和訳を読み「この詩を日本語で歌ったら陳腐になりかねない」と納得しました。そして今朝の回を観ながら訳詩を思い出し泣けてきました。
戦争は本当にダメですね。
第1回の冒頭で、ヒロインが日本国憲法の新聞報道に涙するシーンがありますが、それは決して素人の米軍人が一夜漬けで書いた「理想」に感激したのではありません。その「理想」を口にできるまでに、どれほどの苦闘と犠牲があったか。それを背負っての涙だったのです。それを描くのに丸2ヶ月を費やしたわけですね。本当に生半可な視聴では理解できないドラマです。
永遠の0と重なりました。生きて帰ってくると約束したのに、最後には寅子の元へ帰ることが目的となりました。結婚当初は目的のためでしたが、本当の夫婦になったのだなと感じました。戦争で大事な人を失った喪失感は本人でなければ分からないのでしょうが、それが伝わってきた回でした。
ベル・アンド・セバスチャンの核でもある、女性の解放をテーマにした作品。先日NHKでアフガニスタンの女性について報道していました。戦前の寅子たちと同様に、勉強したくてもさせてもらえず、意に沿わずに嫁がなければならない女性が映っていました。日本は第二次世界大戦で敗れて日本国憲法ができましたが、アフガニスタンではこれからもこんな状態が続くのでしょう。
屋台のおばさん、ありがとうございました。あなたのお陰で寅子さんはまた前を向いて歩き出せそうです。寅子さんのようなご婦人方を屋台からの風景を通してたくさん見ていたのでしょう。こんな悲しい思いをする方々がもう二度と出てこないことを願っています。
「優三さん」が亡くなったことを受け入れられなかったのか、受け入れたくなかったのか。どちらかだと思いますが、「はるさん」の言葉で受け入れられたのではないでしょうか。涙を流すことで強くなれると思います。これからは「母として」・「弁護士として」頑張って欲しいです。
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