朝ドラ「虎に翼」新キャラ道男、花江に「おばさん、よく見たらきれいな顔してるな」

虎に翼

戦災孤児たちが警察によって一斉に補導され、家庭裁判所に連れてこられました。寅子をはじめとする家庭局の職員たちは、子供たちの預かり先を探すために奔走しますが、とても追いつきません。その中に轟法律事務所で出会った道男も含まれていました。

道男は預かり先が見つからず、家庭裁判所から帰ることになりますが、そこで寅子が現れ「放っておけない」と言います。これに対し道男は「何?じゃあ、あんた、何をしてくれるの?」と反発し、「家にでも泊めてくれるのか?」と挑発します。

寅子は「あなた、そこまで私に心を開いてくれていたのね。いいわよ、いくらでも泊めてあげる」と返答し、家族の許可も取らずに道男を自宅に連れて帰ります。不良っぽい道男の姿に、優未は「怖い…」と感じ、花江は「それが泊めてもらう人の態度?」と問い詰めますが、道男は「おばさんは俺がひれ伏せば満足?」と反論します。これを聞いていた花江の息子・直人は「寅ちゃん、僕こんな人無理だよ」と訴えます。

しかし、その場で石田ゆり子が「泊めてあげなさい。必要なだけここにいればいいわ」と道男の宿泊を許可します。これで家族は風呂の準備や食事の準備に取り掛かりますが、その際に道男が突然花江に向かって「おばさん、よく見たら綺麗な顔してるな」と言い出し、花江はびっくりします。すぐに直人が「お母さんのこと見るな!」と警告します。

また強烈なキャラクターが登場し、どのような化学反応が起こるのか楽しみです。意外にも道男が浮浪児たちのまとめ役となって寅子たちを助ける展開もあるかもしれませんね。ドラマとはいえ、当時の日本は崩壊寸前だったのかもしれません。子供たちに食事や教育を提供できない社会は、一歩間違えれば悲惨な結果を招いたかもしれません。それこそ、寅子や名も無い人たちが必死に支え続けた歴史があったのでしょう。画面に映らない部分も感じ取りながら、視聴していきたいと思います。

この状況で道男があのように言うと、花江の身の安全を心配するのが普通でしょう。しかし、あれは道男なりに精一杯の「ごめん」だったように感じました。素直に謝れない彼が、照れ隠しに言ったのではないかと思います。

猪爪家に同居を始めた道男がこれからどう変わっていくのか、非常に楽しみです。ちゃんと花江の顔を見て話していたのだな、と感じました。

教育を受けること、躾けられること、家族の温もりに触れることさえ叶わなかった時代。思春期の真っ只中にいる道男の心には、小さな子供たちよりも深い傷が刻まれているのかもしれません。

今朝の最後の方で、皆が複雑な表情をする中、花江は案外機嫌が悪くなさそうに見えました。ちらっとですが、これまで自分を押し殺し、嫁として母親として努めてきたけれど、思わぬところで息子の成長を頼もしく感じるとともに、一人の女性として見てもらえたことが案外嬉しかったのではないでしょうか。これから寅子とは違う形で、自立した人間として生きていってくれればと願います。

当時なら、花江は若くて綺麗ですが、子供が二人いるので「おばさん」と言われて怒るというより、自ら「おばさんに見せてごらん」などと言う方が自然かもしれませんね。初対面の不良少年に生意気なことを言われて「失礼ね!無礼者!」と感じたのでしょう。はるさんと花江が「こういう時はこう挨拶するのよ。こうすれば相手に失礼にならず、自分も恥をかかずに受け入れてもらえますよ」などと教えていくのではないでしょうか。

道男は17歳くらいの設定らしいですが、もう働ける年齢であり、戦災孤児としてはやや大きいです。そのため、引き取り手がいなかったのかもしれません。道男がこれから家裁と孤児たちをつなぐ役割を果たすと良いですね。

直明がいなければ、寅子は道男を自宅で保護しようとは思わなかったでしょう。道男はこの先、厳しくも温かいはるさんに少しずつ毒気を抜かれていきそうな予感がします。優未の純粋な愛らしさも、道男の心を溶かす鍵になるかもしれません。

道男の発言は感謝の言葉かもしれませんが、直人たち子供にとっては、自分の母親を女性として見たような言葉を目の前で言われたらショックでしょう。この先、道男が一家に馴染み、認められ、彼の笑顔が見られる場面が訪れることを期待します。

道男の発言、現代的に考えるとすぐに恋愛関係を想像しがちですが、恐らくこの発言は母親への飢えた愛情表現であり、「こんな人が自分の母さんだったら…」という思いでしょう。そこに異性感情はないはずです。朝ドラでそのような展開は無理でしょうから。

道男が「おばさん」と言ってしまったことへの後悔から、「おばさんだけど普通のおばさんじゃなくて綺麗だよ」と打ち消そうとしたのではないでしょうか。そもそも、道男の年齢からすると、見ず知らずの家庭に連れてこられた際、子持ちの30代や40代の女性を「おばさん」と呼ぶのは普通のことだと思います。「お姉さん」と呼ぶ方がおかしいかもしれません。

実写で浮浪児の様子が描かれるたびに、彼らがどんな人生を歩んだのか考えさせられます。今生きていれば八十を越えているはずですが、悪い道に落ちてしまったとしても責められません。今日も、つい『火垂るの墓』を思い出してしまいました。

いくら行くところがなくても、自分の家に泊めるのはまずいでしょう。寅子の勇み足かもしれませんね。道男の「おばさん、きれい」という発言にはドキリとしましたが、息子が「お母さんに何を言うんだ!」と反応するのは当然です。何事もなければ良いのですが、戦災孤児の問題は個人では対応できず、社会全体で取り組むべきです。道男役の和田庵さんは、反抗期の孤児の複雑な心境をリアルに演じていて素晴らしかったです。

昔好きだった朝ドラ『カーネーション』では、主人公が戦災孤児の女児を憐れんで部屋に泊めたら、お金を盗まれてしまいました。女児は元締めが怖くてお金を取ったのでしょうが、窮鳥懐に入れば毒を吐くという話を思い出しました。

道男もこれまで裏切られ続けてきたため、大人への反抗的な態度を取っていましたが、彼なりに誠実な態度で接すれば、素直さが残っていると感じました。彼が猪爪家での食事マナーを身につける日が来るのか、その経過を楽しみにしています。

道男がどう変わるかも気になりますが、よねさんのキャラ設定にも引っかかりを感じます。男に負けたくないという一心から男装や男まさりになったのは理解できますが、現状では無礼で乱暴な人物にしか見えません。作家や演出陣もキャラの統一感に苦労しているのかもしれません。

謝り方が分からず照れ隠しにしても、初対面での言葉は怖いものです。日中はトラちゃんも直明も息子たちも不在ですし、不器用なら一言「悪かった」と言えば良いでしょう。道男にとっておばさんはおばさんであり、謝る必要はないかもしれませんが、その言葉が余計に怖いのも事実です。

安心できる家を見つけてあげたいと言いつつ、目の前のふてぶてしい態度に不快感を覚える花江ちゃんの反応は、普通のよくある反応です。道男のセリフにざわっとしましたが、それに対する直人の「お母さんを見るな」という言葉は可愛らしく頼もしく、温かい気持ちになりました。

どんな子か分からないのにあんな粗野な振る舞いを見せられ、綺麗と言われたら花江さんの立場なら警戒するのも当然です。不器用で「ごめん」を素直に言えないからそう言ったのでしょうが、若い男の子なので仕方ない部分もあります。だんだんと打ち解けていくのを期待しています。

今まで孤児院や劣悪な環境で過ごしてきた道男は、13歳以上の見た目と態度を持つひねた子供です。引き取り手もなかったでしょうし、花江ちゃんの長男、直人とそんなに違わない設定なのかもしれません。猪爪家は花江ちゃんとトラちゃんも疎開先に行っていましたが、当時は子供だけの学童疎開も多かったです。母親と一緒に疎開していても辛い思いをした直人君と直治君のように、道男も辛い経験をしてきたのでしょう。

花江ちゃんは道男の母親に似ていたのかもしれません。きれいな母ちゃんと一緒に生活している猪爪家に、道男が打ち解けるのは難しいかもしれませんね。

花江への「きれいな顔」という発言は深く考えませんでしたが、その前の直明の「孤児院や親戚の家から逃げ出す子も多い」という言葉には「あぁ…」となりました。『火垂るの墓』もそうでしたね。猪爪家に来た道男が嫌われようとしているのか、忍耐を試そうとしているのか、彼の行動に対する猪爪家の表情は辛そうです。

道男がキーマンとなり、子供たちの保護活動が進んでいくとは思いますが、そこに至るまで心が抉られ続けるような展開が待っているのでしょう。自分が耐えられるかどうか心配です。

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