朝ドラ「虎に翼」穂高先生、寅子の怒りに困惑?ワタクシも困惑

虎に翼

栄二(中本ユリス)の心を開くことができずにいる中、寅子(伊藤沙莉)は穂高(小林薫)が最高裁判事を退任することを知らされます。桂場(松山ケンイチ)から手伝ってくれと言われ、うっかり引き受けてしまった寅子は、気まずい気持ちのまま退任記念の祝賀会に出席することになります。そこには桂場、久藤(沢村一樹)、多岐川(滝藤賢一)らが集まっており、寅子は穂高の言葉に真っ向から意見を述べます。

穂高に怒りを見せる寅子に、あさイチメンバーも困惑気味でした。

博多大吉は「どうします? 朝ドラ受けどうします?」と話しました。鈴木奈穂子アナウンサーは最後に寅子が頭を抱えたシーンについて「寅子の後悔?」と推察しました。大吉はこの日の寅子の態度について「怒り大爆発みたいな感じでしたけど」と振り返り、華丸も「大体、痛快じゃないですか。『痛』のみしか…」と応じました。大吉は「怒りも分かるけれども、あの時代の穂高先生を考えたら、何の制度も整っていない時代のことだし、精一杯のことをやっていた気もするし、でも…」と悩んでいました。

主人公・寅子の気持ちがわからないわけではありません。私自身も、好きで尊敬している相手に対して、些細なことで感情が爆発してしまった経験があります。嫌いになったわけでもなく、軽蔑したわけでもありません。ただ、相手に対する思いが強ければ強いほど、つい過度に期待してしまうものです。

結局、私はその後に謝罪しました。ちゃんと話し合った結果、感情が爆発してしまったことを理解してもらえました。

この物語が今後どう展開するのかは分かりませんが、今回の出来事が主人公の今後に良い影響を与えることを期待しています。

今回の寅子の怒りは、三淵さんの実話に基づいたものだったのでしょうか?それとも、ドラマの中の架空の人物である寅子の怒りだったのでしょうか?正直、あそこまで穂高先生に対して罵声を浴びせる必要があったのか疑問です。「感謝と尊敬をしている」という免罪符を付けているものの、非常に辛辣であり、積年の怒りを感情の制御ができないままぶつけるのは、「ガキ」と叱責されても仕方ない行動です。ある意味では、これは伏線の回収かもしれませんが。

おそらく、この大失敗を乗り越えることで、寅子の人間的な成長や判事としての成長が描かれるのでしょう。そして、穂高先生が亡くなる時には、寅子が謝罪と感謝の気持ちを表す場面が描かれるのではないかと信じています。

私自身は「えぇ〜!?」という反応でしたが、一緒に見ていた家族が「大人気ないのはもっともだけど、大きなことを成し遂げる人のパワーや信念ってすごいから、このくらい爆発するのは当然かもよ。法律やその仕事に対して、ものすごく純粋なんだろ、この主人公は」とあっさり言ったのです。そう言われると確かに納得してしまいました。

しかし、歳を重ねると、自分の小ささを強く感じることもあり、穂高先生の気持ちも理解できるのです。

私だけが何に怒っているのか分からないのかと思いましたが、同じような意見を持つ人が多くて安心しました。だいたいこういうことで怒っているのだろうと想像はつきますが、会場を飛び出したり「許さない」と言うほどの理由なのか?と少し驚いてしまいました。

多数決や大勢の考え方で現実は決まります。穂高先生も戦ってきたわけですが、最高裁でも多数決で負けたわけです。その後にその考えが覆され、今に至っています。偉い先生に対して感謝しているとはいえ、あそこまでヒロインが言って良いものなのでしょうか。理想と現実のギャップに対して戦う表現としては理解できますが、その態度には納得できず、聞いていてヒロインに対するファンとしての心が痛みました。

それでも、人はもっと怒って良い、怒るべきかもしれないと思いました。相手も頑張っているから、良い人だから、私のことを思ってくれているから、時代だから、社会だからといった様々な理由から理不尽に対して怒らないことが多いのです。しかし、理不尽に対してはもっと怒っても良いのだと感じました。

リーガルロイヤーとして、まだまだ未熟な寅子が炸裂したシーンでした。それでも、朝ドラのヒロインらしい失敗を繰り返しながら成長していく物語だと思いました。まるで娘が父親に駄々をこねる姿のように見えました。寅子はいつまでも私たちを導いてくれる先生でいてほしかったのでしょう。そのため、逃げるように退官する姿に自分の逃げ出した姿が重なり、誰に対して怒っているのかわからないパニック状態になってしまったのです。

このエピソードで感じたのは、確かに寅子の心には『虎』がいるということです。しかし、視聴者が感じたように、気高いけれども危うく、どこか不完全な状態です。『翼』となり得る家族や友人の忠告を受け入れなければ、『虎に翼』とはならないように感じました。

今日の内容は私には難しかったです。寅子の涙、許せないほどの怒り、最後の雄叫び。確かにいろいろなことがありましたが、穂高先生がいなければ寅子は法曹を目指すこともなく、恩師であることに変わりはありません。せめて退任の時だけは、快く見送ってほしかったです。

退任の場面で大勢の前で断罪するような行為は、寅子の過ちであり、直接話すべき機会はもっと以前にあったはずです。しかし、少数派だとは思いますが、私は寅子の気持ちも少しわかります。男性社会で働き、男以上に強くいないと生き残れない女性を多く見てきたからかもしれません。

穂高先生は女性にハシゴを掛けて、行き詰まると自らハシゴを外すことを繰り返しています。ハシゴを外されて転落した女性も多いのです。最初は女子部の劇の場面で、断罪されたのは女子だけで穂高先生は傍観していました。特に顕著だったのは寅子の妊娠のくだりで、寅子が法曹界を「諦める」ように仕向けてしまったのです。

もちろん、穂高先生は人柄が良く、女性が法曹界に進出するきっかけを作った存在であり、寅子たちの努力だけでは成し得なかったことです。しかし、ハシゴを外された女性を見てきた寅子の怒りが強烈すぎたのです。

最高裁判決を諦めた穂高先生にも、近視眼的になった寅子にも、何か今後の気付きに繋がることを期待しています。寅子は穂高先生には理想の存在であってほしいのでしょうが、彼女の理想は高すぎます。今日のエピソードで優未ちゃんが登場しなかったのは残念ですが、あちらもそろそろ爆発してしまうのではないでしょうか。

大爆発でしたね。反発も相手に対して期待や信頼、愛情がなければできないことです。最後の寅子の叫びは、穂高先生に対してなぜこんなに行き違いが生まれてしまうのかの嘆きでしょうか。穂高先生が「どうすればいい?」と嘆いたように。

寅子のあの態度には共感できません。口では感謝と言いながらも、それが全く伝わってこないのです。危うく無実の罪で有罪になりそうだったお父さんを救ってくれた恩人ではないか!自分の考える女性の社会進出や地位向上と違うかもしれませんが、ここまで尽力してきた方に対する最後の態度や言葉ではなかったはずです。寅子には自分の価値観しか見えていないのでしょう。

寅ちゃん、もう30代だと思いますが、もう少し大人になってほしいと思いました。20代なら理想をぶつけて喧嘩するのも「若いね」で済むかもしれませんが、酸いも甘いも経験した人の喧嘩の仕方ではありません。

理想を現実にしたい寅子。理想は結局理想でしかなかったと言う穂高先生。双方の考えに隔たりがあるのは分かりますが、理想を理想だと突きつけられることに嫌がっている寅子の感情が爆発したのは理解できます。しかし、見ている側としては全くスッキリしません。主人公に感情移入できないのはなぜでしょう?

穂高先生が「じゃあどうすればいいんだ」と言っていましたが、どうすればよかったのでしょうか。寅子も同じように「私はどうすればよかったの?」と問いかけていましたね。よねさんに言われて傷ついたはずなのに、先生に同じことをしてしまっています。

思うところは多々ありますが、自分を法曹の道に導いてくれた大恩人に対してあの場で言うべきではなかったと思います。ただ、寅子はみんなの前で穂高先生に言葉を撤回してほしかったのかもしれません。

理想を掲げて地獄に引きずり込んだ本人が今更謝っても、引きずり込まれた側としては怒りがわくのは当然です。寅子はその理想に希望を見出して乗ったので、怨みはしないでしょうが、今更間違っていましたと言われたくはないでしょう。

最初、寅子の涙を見た時、それが悲しい涙か悔しい涙か分かりませんでした。今でも良く分かりませんが、悔し涙の方でしょう。一滴を無数に作ったというのは、女性を法曹界に導いておきながら、存在を認めてもらえなかったということですかね。私には今日の内容は少し難しかったです。

穂高先生や来賓、上司たちに顔に泥を塗る行為をして、最後のシーンで顔が青ざめていましたが、手遅れでしたね。そこがガキなんだと思いました。

理想が高すぎる

雄叫びしてすっきりして終わるのではなく、顔が青ざめて終わったのは、まぁ良かったかもしれません。

寅子の暴走する前に優三さんがいたら、ストッパーになっていたでしょうね。優三さーん、お台場から渋谷にカムバック!(笑)

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