朝ドラ「虎に翼」娘・優未(竹澤咲子)との関係が徐々に悪化。寅子には花江ちゃんが必要です

虎に翼

寅子が裁判官として成長する一方で、娘・優未(竹澤咲子)との関係が徐々に悪化していることが示唆されていた第14週。第15週「女房は山の神百石の位?」の予告映像では、花江(森田望智)が「トラちゃんが見ているのは、本当の優未じゃないの」と話すシーンがありました。また、「言いたいことがあるなら・・・」とつぶやく寅子に対して、「そういう態度よ!」と声を荒げる場面も描かれていました。

寅子を見ていると、自己中心的な人には2種類あると感じることがあります。

ひとつは、自分を中心に地球が回っていると思うタイプ。
もうひとつは、自分が中心にいて地球を回せると思うタイプ。
寅子は後者のタイプなのではないかと思うことがたまにあります。

話は変わりますが、花江ちゃん役の女優さんがNetflixの「シティハンター」で香ちゃんを演じていたと知った時は、本当に驚きました。同じような役柄を続ける方も魅力的ですが、さまざまな役をこなせる女優さんは最近ではなかなか見かけないので、応援したいですね。

花江ちゃんが結婚したばかりの頃も、寅子に物申す場面がありましたが、その時はどちらかと言えば「悲しい」という弱々しい感じでした。でも、今は強くなりましたね、花江ちゃん。親友だからこそ言えることがあるのだと思います。

穂高先生に対する態度もそうですが、仕事に夢中になるほど、自分がやらなければ、自分しかいないという傲慢さが見えることがあります。主人公だからといって完璧である必要はないと思いますが、その無意識の傲慢さに対して「ダメ」と言えるのは、親友であり義理の姉でもある花江ちゃんだけかもしれません。

花江ちゃんは女子力が高くて可愛く、賢い印象ですが、あの怒鳴り声は相当なものです。花江ちゃんを怒らせると本当に怖いですよ。もし花江ちゃんが「家事はやりません」と言い出したら、寅子は困るでしょう。寅子は好きな仕事をスキルとして、女性の活躍が注目される時代に一役買っていますが、いつもふわふわして地に足がついていない感じが昔から変わりません。同じ法を扱っていても、よねさんのブレなさや、花江ちゃんの家庭を支えるどっしり感、どちらも寅子にはまだ手に入れていない気がします。

寅子のおかげで生活できていることは、花江ちゃんも十分わかっています。だからこそ、今までのモヤモヤも表情だけで済ませていたのでしょう。しかし、子どもに対して無関心であり、恩師の弔いの席でも酔っ払って喪服のまま寝てしまう、さらに来週はアメリカ出張で、有名になって家族まで取材される始末。忙しくても、花江ちゃんに労いの言葉があったり、少ない時間でも娘に関わったり、休日だけでも家庭の時間があれば、違っていたかもしれません。そんな態度に花江ちゃんの堪忍袋の緒が切れたのでしょう。

令和を生きるワーママも、そのあたりのバランスを必死に探りながらやっています。周りを頼れなければ自分でやるしかなく、結果的に潰れてしまうのです。

花江ちゃんの高い声でのあの迫力は、日本の女優史に残るでしょう。日本の迫力ある名女優さんは低めの声で響かせるものですが、あの高さでの迫力は記憶にありません。

来週、花江ちゃんの爆発は見物です。相当なストレスが寅子に溜まっているのが感じられます。ゆみちゃんに対しても、寅子は寄り添っていませんからね。寅子も負けずに頑張っていますが、来週こそは「手を離しても目を離さない」ことに気付いてほしいです。

仕事ができるようになり、周りからも褒められるようになると、自分はちゃんとしているつもりでも傲慢になってしまうことがあります。寅子は今まさにその時期にいるのでしょう。穂高先生への態度も良くありませんでした。家庭のことや子どものことを全部花江ちゃんに任せっきりで、優しい花江ちゃんだからこそ、ガツンと寅子に言ってくれるのでしょう。

そのうち、優未ちゃんが花江ちゃんをお母さんと呼び始めたら、寅子もやっと気付くのでしょうか。花江ちゃんは優しいので、そんなことになる前に寅子を諫めてくれるのです。長い付き合いの親友である花江ちゃんが、ギリギリまで我慢していることを寅子は分かっているはずです。仕事に邁進する余り、家族の些細な変化に気付けていないのですね。穂高先生には謝らず終わりましたが、せめて花江ちゃんと優未ちゃんにはきちんと謝って関係を修復してほしいです。親しき仲にも礼儀あり、です。

寅子が仕事に打ち込めるのも、花江ちゃんが家事や育児を一手に引き受けてくれるおかげです。女性初の裁判官として、寅子の社会的地位がどんどん高くなる中、大切なものを見失わないように、優未ちゃんや花江ちゃんの気持ちが寅子に届くと良いですね。

この時代に子どもが親に構ってもらえなくて寂しいと感じることがあったのかどうかは疑問ですが、現代の視点から見れば、この家庭は恵まれていると言えるでしょう。母親が一人で家庭を支えているにもかかわらず、寂しいとか話を聞いてもらえないというのは甘えに感じるかもしれません。

寅子と花江ちゃんは女学生時代から考え方が全く違っていても、仲良しです。当然、ぶつかることもあるでしょうが、喧嘩をして相手の考えを理解し、違いを認め合えれば、それで良いのではないでしょうか。

しかし、もし寅子がいなければ、花江ちゃんも子ども2人を抱えて働かざるを得なかったでしょう。寅子の稼ぎで一家6人が暮らしているのは、かなりすごいことです。

寅子は一人娘の優未ちゃんに寄り添っていないため、花江が声を荒げるのも当然です。確かに猪爪家のみんなが食べていけるのは寅子のおかげですが、家庭を顧みないのはいかがなものかと思います。

写真を見る限り、皆さんがかなり高価な洋服や着物を着ていることから、寅子の稼ぎは相当だと推測できます。

花江さんを演じている女優さんは、Netflix限定の「シティハンター」で槇村香を演じている女優さんですよね。非常に似合っているので、見てみたいです。

家事に専念している花江さんも実は「お茶の水」出身で、相当な才女です。見た目はおっとりとしたふんわりした女性に見えますが、実は芯がしっかりしているのがわかります。寅子も仕事では男性に対してハキハキ物事を言っていますが、家では花江ちゃんに頭が上がらない感じです。

この朝ドラはよくできていると思います。仕事がいくらできても、家庭では0点の男性がたくさんいるのではないでしょうか。どんなに優れた人でも悪い面があることをよく描写していると感じます。桂場さんが謎に酒癖が悪いのも、人間味が出ていて良いですね。

寅子は女学校の時からいつも正しい人ですが、他の人に我慢させたり、負担をかけていることに気づかない鈍いところがあります。花江は今までの鬱憤を吐き出して欲しいです。

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