橋本環奈主演『おむすび』最終回へのカウントダウン〜脚本の薄さと病院シーンの現実性〜

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コロナ禍を描く朝ドラ『おむすび』、現実との向き合い方

NHK連続テレビ小説『おむすび』がついにコロナ禍の時代に突入しました。2020年初頭、日本でも新型コロナウイルスの感染が確認され、社会全体が未曾有の危機に直面する様子が描かれています。橋本環奈演じる主人公・米田結が勤務する病院でも、感染者受け入れのための準備が進められ、その緊迫した雰囲気がスクリーンを通して伝わってきます。

「マスク姿の朝ドラってすごいね」「朝ドラで病院での感染対策の裏側が描かれている」という驚きの声がSNSで飛び交う一方で、「当時を思い出してつらい」「懐かしく見えてしまう」という感想も寄せられています。たった5年前のことでありながら、すでに過去の出来事として受け止められる不思議さと、まだ記憶に新しい生々しさが入り混じる複雑な心境が視聴者の中にあるようです。

病院内での対応として描かれたゾーニングの様子—陽性スペースをレッドゾーン、医療スタッフが防護服の脱衣を行う場所をイエローゾーン、それ以外をグリーンゾーンとする区分け作業—は多くの医療現場で実際に行われていた光景です。しかし、視聴者からは「リアル感が本当に無かった」「ナレーションでの説明だけ」という批判の声も上がっています。

当時のマスク不足についても疑問の声があります。「2020年の2月や3月なんて、病院はともかく、一般人はマスクが買えなかった」「特に高齢者はドラッグストアの前で並んでいた」という記憶がある視聴者からすると、商店街の人々が皆マスクをしている描写は違和感を覚えるようです。

また、結の母親である愛子(麻生久美子)が、コロナ禍の中で県をまたいで神戸から糸島へ移動する設定についても、「当時は県を跨ぐ移動は控えてって言われていた」「神戸在住のお母さんが糸島に行く設定…、アリなの?」と疑問の声が上がっています。

このように、記憶に新しい社会的な出来事を朝ドラで描くことの難しさが浮き彫りになっています。視聴者それぞれが自分の体験や記憶と照らし合わせながら見ているため、些細な描写の違いにも敏感に反応してしまうのです。

一方で、「NHKのドラマだからこそ伝える意義はある」という肯定的な意見も見られます。朝ドラとして描かれることで、教育現場などでも使いやすい「コロナ状況下のフィクション」として価値があるという見方です。「コロナ禍は現代日本が経験した戦場」であり、その記録を残すことの重要性を指摘する声もあります。

しかし、こうした重いテーマを『おむすび』の脚本がどのように描ききれるかについては不安の声も多く、「浅くて共感も出来ず、ため息をつくような展開ばかり」「駆け足でうわべだけをなぐるようなことになって欲しくない」という意見が目立ちます。

コロナ禍という社会的トラウマとも言える題材を、朝ドラという国民的ドラマでどう描くか。その難しさと挑戦が、『おむすび』の新たな見どころとなっているのかもしれません。しかし、これまでの展開を見る限り、「ここまでの展開で考えると、コロナでつらく苦しい時もギャル魂で逞しく乗り切りましたということになるのだろう」と予想する声もあり、視聴者の期待と懸念が入り混じっているようです。

病院管理栄養士として奮闘する結の姿から見える医療の現場

橋本環奈演じる米田結が管理栄養士として働く病院の描写は、視聴者にとって新鮮な医療現場の一面を見せてくれるものでした。しかし、その描写の現実性については賛否両論があるようです。

「チームで一人ひとりの食事を管理し、担当まで付く病院ってどこにあるのでしょう?」という疑問の声が上がっています。実際に総合病院に通院している視聴者からは、「ああいうチームは見たことも聞いたこともない」「患者の様態や持病等により個々に違う食事はつくるが、それは一部で8~9割はみんな同じ食事」「個人の好みは効きません」という現実の声も寄せられています。ドラマでは結たち6人のNST(栄養サポートチーム)が患者一人を囲んで様子を見る場面もあり、「ちょっと怖い光景でした」という感想も。

また、「管理栄養士は医療従事者なのか?」という素朴な疑問も見られます。管理栄養士の仕事内容や位置づけについて、ドラマを通じて初めて知った視聴者も多いのではないでしょうか。

コロナ禍に突入した病院の様子については、特に医療関係者からの視点が興味深いものです。「娘が川崎市の総合病院で看護士していました。ほぼ最初からクルーズ船の患者受け入れた病院です。地獄のような毎日が続いたそうです」という実体験に基づくコメントもあり、医療現場の過酷さが伝わってきます。「国からの臨時手当が出た時期もあったそうですが金の問題じゃないといっていました。どんどん患者亡くなっていくし。院内感染。地獄のような日々だったそうです」という生々しい証言は、ドラマでは描ききれない現実を私たちに突きつけています。

コロナ禍の病院が描かれる中で、結の仕事にも大きな変化が訪れようとしています。「新型コロナ感染の広がりで管理栄養士の結たちも一般病棟患者への接触を減らすことが求められ、食事指導は週一になってしまう」と、これまで患者との対話を大切にしてきた結にとって大きな試練となりそうです。

そんな中、結はコンビニ弁当の開発というキャリアの転機を迎えようとしています。友人の菜摘からの誘いに対して、「患者と接することができないのが辛いなら、顔の見えないコンビニの商品開発への転職はないよね」という視聴者の声もありますが、ドラマはどのような展開を見せるのでしょうか。

病院での様子については、「結は患者さんからの信頼も厚く、転職されるのは惜しい人材らしい。患者さんから『怖い』『厳しい』と言われて悩んでいたことは、無かったことになったらしい」という皮肉めいたコメントも見られます。これまでの展開の一貫性に疑問を投げかける声も少なくありません。

結の管理栄養士としての成長や挫折、そして新たな挑戦は、現実の医療現場を完全に再現するものではないかもしれません。しかし、コロナ禍という未曾有の危機の中で、食を通じて人々の健康を支える専門職の存在を広く知らしめる機会になっているのは確かです。「医療関係者の人には感謝と敬意しかない」という視聴者の声に表れているように、この朝ドラが医療現場で奮闘する人々への理解を深める一助となることを期待する声も少なくありません。

脚本の薄さが露呈?視聴者から厳しい声が上がる『おむすび』

NHK連続テレビ小説『おむすび』が最終回へと近づく中、脚本に対する厳しい声が視聴者から多く寄せられています。「テーマの1つである”ギャル要素”が朝ドラの視聴層と合わなかったこと、そして、あまりにも薄口のダイジェスト感の強い脚本に厳しい声が殺到してしまっている作品」とテレビ誌編集者も指摘するように、物語の展開や描写の浅さが批判の的となっているようです。

特に目立つのが、「ナレーションでの状況説明が多くダイジェストを見てるような感じ」という指摘です。視聴者からは「企画書の箇条書きを場面に起こしているような感じ」という厳しい評価も。感情移入がしづらく「ごっこ」感が強いという声も少なくありません。

また、「いまだに主人公の最終目標が今ひとつわからずどんな最終回を迎えるのかいまだに見えてこない」という声は、物語の方向性の曖昧さを指摘しています。「あと15回。最初からつまづいた人と最初からしっかりハマレた人で作品満足度にすごい差が生まれた」というコメントにも表れているように、視聴者の評価は大きく二分されているようです。

脚本の問題点として、「問題発生・安易に解決、これを単純に繰り返しているだけで、昭和の三流青春ドタバタドラマと全く同じ手法」という辛辣な意見も。「最悪なのは脚本家がそれを面白いはずと錯覚していることがこのドラマを救いようの無い駄作にしている」と厳しい評価も見られます。

さらに、「長すぎたギャル偏もどこを切っても同じ内容で、1~2日見なくてもストーリーには影響ないんじゃないかってことが続いた」という指摘もあり、物語の展開の薄さが指摘されています。

コロナ禍の描写についても、「コロナウイルスの説明や拡大感染してくる恐怖感が全く描かれていませんでした」「感染した横浜の豪華客船の人達を隔離できずに帰宅させ、少しづつ増えていく。先月は300人だったのに今月は2000人に拡大している。近所の人も感染して入院する。重症化して無くなる人も増えて行く。劇場などでクラスターが発生し一気に増えて、有名人も無くなって行く恐怖。当時の恐ろしさが全く描かれていませんでした」と、リアリティの欠如を指摘する声が上がっています。

「朝ドラはシリアス展開があっても基本的にはコメディだと思うが、それにしたって内向きなネタやメタ的なネタが多くなった」という分析も興味深いものです。「それがSNS時代で受けるための仕込みなのかも知れないけど、ストーリーそっちのけで頑張られても白けるだけ」というコメントには、現代のドラマ制作の傾向への批判も含まれているようです。

一方で、「朝ドラは、長期間の撮影のためか、撮影現場の雰囲気が画面に出てしまう感じがある」という指摘も。「ファミリー感のある楽しい雰囲気や頑張っているヒロインをみんなで応援する雰囲気とか。それが視聴者を巻き込むと『あまちゃん』のような一大ムーブメントになる」という分析の上で、「『おむすび』はそういう温かい空気感が最初から画面に希薄だった」という声もあります。「各自が自分の仕事をこなせば良いと思ってやっていて、ドラマを良くするためのプラスアルファが誰からも出てこない。多分そんな現場だったのだろう」という推測も。

主演の橋本環奈については、「主演女優が忙し過ぎて最短時間で撮影を終わらせなくてはいけない状況が、熱のない現場にした」という見方もあります。「撮影中ずっと他の仕事を入れ過ぎて、ヒロイン不在の週が4週間。橋本さん自身朝ドラに集中出来ず役者として成長する機会にもならず、本当にミスキャスト」という厳しい評価も見られます。

このように『おむすび』の脚本や演出に対しては厳しい声が目立ちますが、一方で「隠れ名作として観れてるから、面白い」という肯定的な声もあります。最終回に向けてどのような展開が待っているのか、視聴者の関心は高まっているようです。

最終回に向けて期待と不安、どのような結末を迎えるのか

いよいよ3月28日に最終回を迎えるNHK連続テレビ小説『おむすび』。残りわずかとなった放送に向けて、視聴者の間では期待と不安が入り混じっているようです。特に近年の朝ドラの中でも話題を集めた『ちむどんどん』と比較する声が多く、最終回がどのような展開を見せるのか、予想が飛び交っています。

『ちむどんどん』は沖縄と東京が舞台だった黒島結菜主演の作品で、沖縄料理に夢を懸けるヒロインと強い絆で結ばれた4きょうだいの「家族」と「ふるさと」の物語でした。しかし、脚本や演出、時代考証など多くの部分に「あまりにも雑」というツッコミが殺到。Xでは公式のハッシュタグである《#ちむどんどん》よりも《#ちむどんどん反省会》の投稿数が多かったとも言われています。

そんな『ちむどんどん』を引き合いに出して、「週末にまだちむどんどんは超えていないと思うとポストしたけど撤回します。ちむどんどん超えてます」「ちむどんどんの時は毎日1ツイートにまとめられる程度の突っ込みをしてましたが、おむすびはポストしたい突っ込みどころが多すぎて、1ポストにはとてもまとめられません」といった声も多く見られます。

『ちむどんどん』の最終回については、「ちむどんどんの最終回は悪夢的な爆笑回でした」「海に向かって叫ぶわけやな。ホワーンとお釈迦様みたいに出てくるもんな。あれは大笑いした」「記事では触れられていないが、『ちむどん』最終回は、亡くなった父・賢三さんの『なんくるないさー』という『天の声』が聞こえてくるという、大爆笑の最終回でもあった」など、その突飛さを振り返る声が多くあります。

こうした『ちむどんどん』の最終回を踏まえて、「ちむどんどん最終回ラストの海に向かって叫ぶを超えるぶっ飛んだラストが期待できそうですね」「ハギャレンメンバーは糸島から 永吉さんは、天国から 橋本環奈ちゃんは家族と町内会 床屋で踊る 病院関係者 病院で 歩は、お店で マネージャーとチャンミカ ナベさん達(※つまり主要キャスト全員で)とパラパラを踊る 完」といった、『おむすび』の最終回を予想する声も寄せられています。

一方で、「『おむすび』の最終週までの公式デジタルシナリオ集が、すでにNHKから販売されているので、ネットではそれを元にした最終回までのネタバレが書かれているサイトもある」という情報も。そのネタバレサイトによると「ラストシーンでは2025年1月が描かれ、それに向けてヒロインの結や米田家に大きな動きがあるものの、意外と平凡なラストになるようだ」ということです。

しかし、「歩のストーリーについてはラストに向けての『奇策』が予定されていて、結の病院に『田原詩』という少女が入院することになり、そしてこの少女が歩と、ギャルブランドの会社の運命を変える奇跡の出会いになる」という展開もあるようです。「『田原詩』という少女は歩とは赤の他人なのだが、ある登場人物と顔がそっくりという設定なので、おそらく同じキャストの二役で演じるのだろう」という予想も出ています。

これらのネタバレ情報を受けて、「コロナで延期や中止されたイベントが再開されて、家族みんな元気に参加しました。結も元気に病院勤めてます。最後に皆さん、アゲー。みたいな、ものすごくつまんない終わり方するでしょう」という予想も。「それはそれとして、結は患者さんからの信頼も厚く、転職されるのは惜しい人材らしい」という皮肉めいたコメントも見られます。

「最終回の予想なんて、してもしなくても、どうでもよいこと。別に完結しなくてよい。ヒロインは、走り続けて良いのでは」という意見や、「思いっきり振り切った最終回にして、反面教師として名を残して欲しい」という希望的観測もあります。

『おむすび』は主人公の結が管理栄養士として成長していく物語ですが、「栄養士として毎日恙なく仕事に精を出す結。そこから発展したのは友人の会社とのコラボが実現したことで、栄養士としてのキャリアがステップアップしたことだ。そこからさらにキャリアアップするのか、それとも凡庸な毎日が描かれるのか、物語の展開は頭打ちのような気がする」という分析も。

最終回ではコロナ禍をどう乗り越えていくのかも見どころのひとつですが、「あの時期、ほんとに不安と恐怖しかなかったし、自殺を考えた人、志村けんのようにコロナで亡くなる人、もう恐ろしい時代だった」という視聴者の声にもあるように、重たいテーマをどう描くのかは大きな課題です。

「残り3週でコロナ禍に突入して最終回までにとても巻き返す脚本とは思えない」という悲観的な見方もある一方で、「これまでの朝ドラの中で、『おむすび』がどのような位置づけになるのか」という長期的な視点での関心も高まっています。朝ドラの歴史の中で『おむすび』がどのような記憶として残るのか、最終回の展開に注目が集まっています。

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