「あんぱん」第20話から考える母と子の絆~松嶋菜々子演じる登美子の衝撃的な別れ

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松嶋菜々子演じる登美子の「毒親」ぶりが話題に

NHK連続テレビ小説「あんぱん」第20話で松嶋菜々子さん演じる登美子の言動が視聴者の間で大きな話題となっています。息子・柳井嵩(北村匠海)が高知第一高等学校の受験に失敗した際の冷たい態度や、合格したのぶ(今田美桜)への八つ当たりは多くの視聴者の怒りを買いました。

「嵩はあなたのせいで勉強ができなかったんじゃないかしら」と言い放ち、合格祝いに持ってきたあんぱんにも冷たく接した登美子。さらに翌朝、町を去ろうとする登美子に嵩が「1年浪人させてくれって」と懇願しても、「1年なんて待てないわ」と言い捨てて去っていく姿に、SNSでは「毒親」「最低」「クズ母」といった厳しい声が殺到しました。

一方で、松嶋菜々子さんの演技力については「適役」「お見事」という評価も。「圧倒的な存在感と嫌悪感、松嶋菜々子すごい女優だなと感心しました」という感想や「松嶋さんが演じているからこそ許される」という声も聞かれました。嫌われ役をここまで堂々と演じきる松嶋さんの女優魂が光る場面となりました。

千尋(中沢元紀)が母・登美子に「のぶさんに八つ当たりするらあて最低や」と言い返すシーンには「千尋くん、よく言った!」「スカッとした」という声が。「二人とも、このおなかを痛めて産んだ子なのにね」と自分を正当化する登美子に対し、視聴者からは「この人なに?」「やばいだろ」「怖い」と呆れる声が続出しました。

登美子の去り際の「ごきげんよう、さようなら」という言葉も印象的なシーンとして記憶に残りました。嵩にとっては二度目の母親との別れとなり、視聴者の心を痛めました。

ヤムおんちゃんの言葉が嵩の心に響く瞬間

阿部サダヲ演じる屋村草吉(通称:ヤムおんちゃん)は「あんぱん」において単なる脇役ではなく、主人公たちの心の支えとなる重要な存在です。第20話でも彼の言葉が嵩(北村匠海)の心に深く響くシーンが描かれました。

受験に失敗し、母・登美子(松嶋菜々子)にも去られた嵩は深い絶望感に襲われます。嵩が草吉に「僕って独りぼっちなんだなって」と打ち明けると、草吉は「独りぼっちも気楽でいいじゃねえか」と返します。続けて嵩が「伯父さんが言ってた。何のために生まれて、何をして生きるのか」と問いかけると、草吉は「今日は釣れる気がしねえな。どうせ1回こっきりの人生だ。自分のために生きろ」と投げかけました。

一見すると素っ気ない返答ですが、この言葉には深い意味が込められています。嵩が抱える「母のために生きなければ」という重圧から解放するように、自分自身のために生きることの大切さを説いているのです。

後に嵩が行方不明になった際も、草吉は「あそこかもしれない」と的確に嵩の居場所を言い当て、皆を線路へと導きます。草吉はただの風変わりな人物ではなく、人の心を見通す洞察力を持った存在として描かれています。

視聴者からは「ヤムおんちゃんが水辺で言ったセリフ『一度しかない人生だ、自分のために』。ここで言わせとく必要があったんだろう」「ヤムさんって、つくづく凄い。登場人物が彼と語ることで面倒なナレーションが不要になる」「また嵩の命を救った」など、草吉の存在意義を称える声が多く寄せられました。

名言を投げかけながらも、あんぱんの代金を請求する茶目っ気あふれる草吉の姿は、重苦しい展開に一筋の光を差し込む存在として、視聴者に強く印象づけられました。

嵩の受験失敗と母親からの再度の別れ

NHK連続テレビ小説「あんぱん」第20話では、高知第一高等学校の受験に失敗した柳井嵩(北村匠海)の苦悩が深く描かれました。嵩にとって合格は、母・登美子(松嶋菜々子)を喜ばせるための唯一の道でした。しかし、その願いは叶わず、さらに辛い別れを経験することになりました。

受験に不合格となった嵩は静まり返った柳井家で伯父・寛(竹野内豊)に頭を下げます。そこへのぶ(今田美桜)と草吉(阿部サダヲ)があんぱんを届けに来ましたが、登美子はのぶに対して「嵩はあなたのせいで勉強ができなかった」と八つ当たり。この場面では千尋(中沢元紀)が「兄貴が高知高校行こうと、誰のために頑張っちょったと思っちゅうがな。あんたのためやろ!」と登美子を叱りつける展開に、視聴者からは「千尋くん、よく言った!」という声が寄せられました。

翌朝、登美子は柳井家を出ていきます。嵩は「1年浪人させてくれって」と懇願しますが、登美子の「1年なんて待てないわ」という冷たい言葉が嵩の心を深く傷つけました。「じゃあね、嵩」「ごきげんよう、さようなら」と言い残して去っていく母を見送る嵩の姿に、多くの視聴者が胸を痛めました。

受験票を取り寄せた際に見た戸籍の「×印」も嵩の心に重くのしかかります。「僕って独りぼっちなんだなって」と草吉に打ち明ける嵩。この言葉からは、社会的な孤独感だけでなく、自分の存在価値への疑問が垣間見えます。

母親に二度目の別れを経験した嵩は「僕は母さん一人も、笑顔にできんかった。僕は何のために生きてるんだろう」と自問自答を繰り返し、夜、家に帰らず線路を枕に横たわる行動に出ます。北村匠海さんの「魂が抜けてしまったかのような」演技に、視聴者からは「本当に心配になってしまった」「嵩くんに同情する」「涙が流れた」などの声が寄せられました。

視聴者からは「健気で登美子さんに認められたい一心だったのにまたも遠ざかる背中を見つめる展開になってしまったのは気の毒」「否定されても拒否されても、なお母を求める嵩がつらい」という感想が多く、嵩の切なさが伝わる場面となりました。

絶望の隣は希望~寛先生の名言が視聴者を勇気づける

NHK連続テレビ小説「あんぱん」第20話のクライマックスで、竹野内豊演じる柳井寛先生が発した「泣いても笑うても、陽はまた昇る。嵩、絶望の隣はにゃ、希望じゃ」という言葉が視聴者の心に強く響きました。この言葉は単なるドラマのセリフを超えて、「アンパンマン」の生みの親であるやなせたかしさんの人生哲学を象徴するものとして、多くの視聴者に感動を与えています。

行方不明になった嵩(北村匠海)を皆で必死に探し、線路に横たわる彼を発見する場面。のぶ(今田美桜)は「嵩のドアホ!」と涙ながらに叫び、「うちは死ぬばあ(死ぬぐらい)心配したがやき」と感情をぶつけます。そして夜が明け、朝日が昇る瞬間に寛先生が放った「絶望の隣は希望」という言葉は、嵩だけでなくドラマを観ている視聴者にも希望の光を投げかけました。

SNSでは「寛先生、名言製造機やな」「寛伯父さんの言葉に癒された」「どんなに辛い中にいても、そのすぐそばまで光がきてる」「深い」「素敵な言葉」などと寛先生の言葉に感動する声が相次ぎました。また、「こういう言葉はやなせたかしさんの人生経験から出てきた言葉」「やなせ先生が生前執筆した最後の書物タイトルの引用ですね」と、モデルとなったやなせたかしさんとの繋がりに言及する声も。

実際、やなせたかしさんは著書『わたしが正義について語るなら』で「ときどきニュースで少年少女の自殺の記事を見かけます。ぼくには他人ごとではありません。一歩間違ったら、ぼくも死んでいたかもしれないと思う時があります」と述べており、自身も深い絶望を経験しながらも希望を見出してきた人生が垣間見えます。

「嵩くんはひとりぼっちじゃなくいろんな人に恵まれていると気づいて欲しい」「戸籍のバツなんかに負けないで」と視聴者が嵩に向けるメッセージにも、寛先生の言葉が反映されています。絶望の淵に立っていた嵩が、周囲の愛に気づき希望を見出していく姿は、やがて「アンパンマン」という希望の象徴を生み出す道程として描かれているのでしょう。

「寛先生のどこまでも優しく温かい心に癒されますね」という感想に表れているように、寛先生は物語の中で嵩に限らず視聴者にとっても心の拠り所となる存在として輝いています。

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